【感想】ToHeart(PS版)

 

モチベはあまり無かったんですが、時間ができたのでプレイしてみました。

クリアするのに一週間近くかかりました。

 

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概要

1997年に『Leaf』より発売された学園系ハートフルラブコメディー。幼馴染・腐れ縁・超能力者・ロボットなど様々な属性のヒロインたちと学園生活をエンジョイできる作品です。

  • システム

ルートによって多少異なりますが、3月3日から5月初旬までの約二か月が対象期間となります。自動的に発生するイベントおよび放課後の行動(マップ上でヒロインがいる場所を選択できる)を通してヒロインの好感度を上げていきます。

画面下側にメッセージウインドウがなく、立ち絵に被さる形で画面全体にテキストが表示されるタイプです。また、既読スキップ機能がなく、代わりに既読文は1ページ単位で表示できるようになっています。まあ、〇ボタン連打すれば既読スキップみたいなもんだし、ええよ。

垂れ目のキャラが多く、笑顔がほんわかしてて心が癒されます。

  • 音楽

ToHeart2のBGMとほとんど同じですね。場面に応じたBGMが流れていて、特に違和感はありませんでした。

 

ヒロイン

攻略対象ヒロインは以下の10人です。

 

1.神岸 あかり (かみぎし あかり)

幼馴染ヒロイン。小さい頃からずっと一緒にいるため、主人公にとっては家族のような存在。

  • シナリオ感想

The王道ですね。ここまで丁寧な幼馴染ルートは見たことがなかったので感動しました。あかりに対する見方が変わってしまった主人公が、自分のその変化に戸惑って、受け入れて、行動して、恋人関係になるまでの各段階がしっかりと描かれていました。個人的には、主人公が悩んでいる姿を見て、あかりが何か勘づいてちょっとギスギスするような期間があっても良かったかなと思いますけどね。終盤の主人公の言動は一見理解しがたいですが、彼の立場になると「まあそうなるかもね」と納得できます。

 

2.HMX-12 マルチ

喜怒哀楽を表現できるメイドロボ。量産前の試作機として、学校で八日間だけ試験運用されている。

  • シナリオ感想

上記の設定から想像できる通りのストーリーでした。おそらくテーマは『ロボットが心を持つことについて』だと思いますが、そこまで深く掘り下げずに終わりましたね。とはいえ、人間の役に立つことを最上の喜びとし、健気に奉仕するマルチの純粋さには胸を打たれるものがありましたし、笑顔がとても可愛かったのでオールOKです。あとCVが堀江由衣

 

3. 保科 智子(ほしな ともこ)

関西弁を話すヒロイン。家の事情により神戸から関東へ引っ越してきた。気が強いため周囲に敵を作りやすく、クラス内には彼女のことをよく思わない連中もいる。

  • シナリオ感想

いくつか腑に落ちない箇所はあったものの、ラストは綺麗にまとまっていたと思います。ただ、現実世界に居そうなキャラクターであり、抱えてた問題もリアルによくあることだったので内容についての感想はあまり出てこないです。普通すぎて却って異質でしたね。

 

4.松原 葵(まつばら あおい)

後輩の女の子。格闘技が大好きで、同好会を作るために熱心に勧誘活動をしている。

  • シナリオ感想

スポ根ですね。主人公の良さが一番出ていたシナリオでした。格闘技に真摯に打ち込む葵を主人公がトレーナーとなって支えていくという構図です。敵対キャラとの試合に向けて日々努力する中で信頼関係が築かれていく様は青春!って感じがしてまぶしかったです。試合のシーンの描写も熱く、見応えがあります。僕も格闘技やってみたいなあ。

 

5.姫川 琴音(ひめかわ ことね)

こちらも後輩の女の子。超能力を持っており、念力で物を動かすことができる。ただコントロールが出来ておらず、時々暴走して窓ガラスを吹き飛ばしたりしてしまうことがある。学校内ではそんな彼女のことを気味悪がる人間が多く、周囲から孤立してしまっている。

  • シナリオ感想

念力を制御するために特訓を重ねる琴音を主人公が支えるという構図。こちらも上記の葵ルート同様、主人公の良さが出ていたシナリオでした。徐々に主人公に対して心を開いていく様子が微笑ましかったです。念力をコントロールできるようになったことで、気味悪い存在ではなく尊敬の対象として周囲の人間の見方が変わった時はなんか安心しました。

 

6.来栖川 芹香(くるすがわ せりか)

来栖川グループのご令嬢であり、主人公の一年先輩にあたる。オカルト系の趣味を持っており、日々魔法について研究している。基本的にぼーっとしていて何を考えているか分からない。声が小さすぎてほとんど主人公にしか聞こえない(音声が出ない)。

  • シナリオ感想

ご令嬢キャラなので一般庶民との身分の差が障壁となり、それに立ち向かって乗り越えていく話になるのかと思いきや、立ち向かう手前で終わってしまったので物足りない感がありました。とはいえ、うつむき加減で頬をほんのり赤く染める芹香お嬢様は可愛かったのでオールOKです。

 

7.宮内 レミィ(みやうち れみぃ)

母親が日本人、父親がアメリカ人のハーフ。中学生までアメリカのサンフランシスコに住んでいた。アメリカンなノリで常にハイテンション。

  • シナリオ感想

正直一番微妙なシナリオでした。主人公との関係を裏付けるエピソードが弱く、盛り上がりを感じられませんでした。アメリカにずっと住んでいたレミィとの価値観や考え方の違いに焦点を当てて欲しかったなあと思います。しかし、レミィ本人だけでなく、彼女の家族とも仲良くなっていくという展開には他のルートにはないホームドラマっぽい雰囲気があり、それはそれで良いのかもしれません。

 

8.長岡 志保(ながおか しほ)

主人公とあかりとは中学からの付き合い。主人公と顔を合わせるといつも言い合いになり、あかりがそれを仲裁するという流れがお約束。噂好きであり、「志保ちゃん情報」と称してあることないこと吹聴し回っている。

  • シナリオ感想

良いキャラクターですし主人公との掛け合いも面白かったのですが、ストーリーは期待していたほどに深いものにはならなかったですね。シナリオ終盤であかりが志保の気持ちに気づいているような描写があったので、せっかくならそれ以降、三人の関係がぎくしゃくする様子が見たかったですし、どちらに転ぶにしても志保の気持ちが揺れ動いていることが分かる場面がもっとあれば良かったなと思います。主人公の好意に気づいた時に照れるよりも困ったような反応をしていたのは、あかりに対して後ろめたさを感じていることがよく分かって良かったと思いますが、あまりにも『照れ』の表現が少なかったため、萌えを感じることもなかったですね。

 

9.雛山 理緒(ひなやま りお)

PS版よりシナリオが強化された隠しキャラ。ぴょこんと飛び出ている二本のアホ毛が特徴。働き者でバイトをいくつも掛け持ちしている。

  • シナリオ感想

二人を結びつける目立ったイベントがなく、主人公が好意を持つに至った過程が最後まで分かりませんでした。働きづめだったせいで体調を崩した理緒を主人公が支えてあげるぐらいのイベントはあっても良かったかなと思います。

 

10.来栖川 綾香(くるすがわ あやか)

PS版よりヒロインに昇格したキャラクター。芹香の妹であり、主人公とは同い年。主人公たちとは別の学校(西園寺女学園)に通っている。総合格闘技のチャンピオンであり、葵の憧れの存在。

  • シナリオ感想

葵ルートに次ぐ格闘技やりたくなるシナリオです。シナリオの大部分が綾香との格闘シーンであり、拳で語り合うとはまさにこのこと。熱いぜ、漢だぜ。話の流れとしては、天才であるが故に無自覚に他人を傷つけてしまった過去をもつ綾香を、主人公が「そんなの気にしなくていいよ」と励ますというものですが、綾香自身その過去を気にしている素振りもなかったのに主人公が勝手にそう思い込んで行動しているように見えました。でもシナリオ終盤の綾香の発言を見るに、彼女は自分が気にしてもいないのに、そうやっておせっかいを焼いてくれる主人公に好意を抱いたようですね。よく分かりませんが綾香に膝枕してもらっている主人公、羨ましすぎる。ええなあ。

 

その他雑感

・システム面で若干不便な点はありますが、よくできたゲームだと思います。これが約二十年前の作品なのか......不朽の名作ですね。

・シナリオ本編の中で不明な箇所があってもエピローグ後には何故か爽やかさがあり、もやっとした気分になることがあまりなかったです。クライマックスの展開とラストのまとめ方が上手なのかもしれません。

・一番好きなキャラクターは主人公です。ヒロインがくじけそうになった時に根気強く支え、励まし、ともに困難に立ち向かうことができる男です。

 

時間あるので、またゲームやったら感想書きます。