【感想】最果てのイマ(PSP版)

 

非常に難解な作品です。

今のうちにやっといた方がいいかなと思ってプレイしました。

 

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千々に撒かれたパズルのピース。

どうか、優しく配列されますように――

*付属説明書より引用

 

シナリオ概要

本作は聖域編と戦争編の二部構成であり、聖域編はさらに1巡目と2巡目に分かれています。

 

登場人物

主要な登場人物は以下の8人です。

  1. 貴宮 忍(主人公)
  2. 紅緒 あずさ(ヒロイン)
  3. 本堂 沙也加(ヒロイン)
  4. 塚本 葉子(ヒロイン)
  5. 伊月 笛子(ヒロイン)
  6. 塚本 斎(友人)
  7. 樋口 章二(友人)
  8. イマ(???)

聖域編にて4人のヒロインを2巡攻略、計8回ループすることで戦争編に入ります。 

 

聖域編 
  • 1巡目

主人公である貴宮忍と6人の仲間たち(上記登場人物のうち2~7)の日常とその崩壊が描かれます。過去と現在のエピソードが交互に組まれており、彼らがどのようにして出会い、どのような関係を築いてきたかが分かります。

  • 2巡目

1巡目の内容の別側面が描かれます。物語の核を理解するためのヒントが提示されます。

 

戦争編

主人公は仲間たちとの美しい思い出を糧に戦うことを決意します。主人公は何者なのか、『イマ』とはどんな存在なのか、敵とは何なのか、世界はどのような仕組みで成り立っているのか等、謎が明らかになります。

 

『Blog』システム

本作には選択肢がなく、代わりに『Blog』と呼ばれるシステムが存在します。文章中のキーワードを選択することで別の文章が表示される仕組みであり、例えば「あの頃、僕らは……」という文章のうち『あの頃』を選択することで、その当時の場面が展開するようなものです。また、単に辞書のような役割もあり、用語の説明文が表示されることもあります。ヒロインに応じて決められたキーワードを正しく選択することで、ルートが分岐するようになっています。

 

キャラ絵については取り立てて特徴はないですね。まあ普通に可愛いです。

背景・CGは無機質な感じです。夕焼けのシーンが印象的であり、このゲームの世界観を作り上げています。

 

音楽

哀愁漂うノスタルジックな曲調のBGMが多いですね。夕焼けのシーンとマッチしてて良いと思います。

 

感想

SF作品だと知った上でプレイしましたが、序盤の段階ではどのようなアプローチをしてくるのか分からなかったため、自分の経験に照らし合わせてテキストを読み進めていくしかありませんでした。多少は理解できる箇所もあり、登場人物の言動にも共感できる部分はありましたが、ある一定のライン以降は理解不能な領域が存在し、彼らが別次元のことで悩んでいるように見えました。それは僕の人生経験が足りないせいか、それとも普通に生きていては経験できない深い闇が描かれているからではないかと思っていました。けれども聖域編2巡目以降、世界の構造が明らかになるにつれてSF的な枠組みの中で文章を捉えることができるようになり、理解不能だと思っていたことも物語の仕掛けの一部であることに気づきました。この辺りからどんどん引き込まれていき、ヒントをもとに正解を想像するのが楽しくなりました。ループする度にSFマインドが刺激される感覚。おそらくここが醍醐味なんじゃないかと思います。戦争編にて答え合わせをすることになりますが、ちょっと長すぎますね。もっとコンパクトにまとめて欲しかったなと思います。

哲学的な内容でありテキストも難解ですが、自己と他者の関わりについて色々と考えさせられました。また、静かだけれども背後で何か大きなものが動いているような独特の雰囲気だけでも楽しむ価値のある作品だと思います。

 

補足

  • 総プレイ時間は34時間でした。時間取ってやらないとできないゲームですね。
  • 葉子ちゃん好き。

 

次こそは軽めのゲームやるぞ。