【感想】ISLAND(PS Vita版)

 

涼しげなパケだったので買いました。

 

ISLAND - PSVita

原子が完全に静止するってことは、時空震の影響も受けないってことだから、現在から消えて過去に突き進むの。

*作中より引用。

 

概要

グリザイアシリーズで有名なフロントウイングから発売されたSFおとぎ話。タイムトラベルを扱っており、道中では割と複雑なパラドックスが展開されます。思った以上に壮大なオチで、ここまで広げて終わる作品はあまり見たことがありません。実はアニメやってたらしいですね。知ってました?僕は知らずの民でした。

 

シナリオ

本作は3部構成で、夏編・冬編・真夏編の順にルートが開いていきます。

 

夏編

『浦島』を舞台とし、その地に伝わるおとぎ話に登場する”刹那”・”凛音”・”夏蓮”・”紗羅”と同じ名前を持つ人間が一堂に会し、なんか意味ありげな伏線が次々と張られていくパート。サブヒロインへの分岐があるのはこのパートのみです。

 

浦島御三家のひとつ『御原家』の長女。”煤紋病”への恐怖心から日中はあまり外を出歩かない、半引きこもりの女の子です。このゲームは実質彼女一本道という感じなので、必然伏線が多くなり複雑なルートになっています。特に終盤あたりのタイムパズルは、紙に書き起こさないと理解できませんでした。CVは田村ゆかり

 

  • 枢都 夏蓮(くるつ かれん)

浦島御三家のひとつ『枢都家』の長女。古いしきたりに囚われた島から出て、本土で暮らすことを夢見ている女の子です。彼女のルートが一番ノーマルで分かりやすいですが、本筋とはあまり関係がありません。他人に頼ることなく、自らの意思で進むべき道を決めていく、夏蓮の成長が描かれた話でした。ツンデレ気質なのが良いね。CVは阿澄佳奈

 

  • 伽藍堂 紗羅(がらんどう さら)

浦島御三家のひとつ『伽藍堂家』の長女。オカルト好きな女の子で、彼女の発言は少なからず物語の真実を捉えています。5年前に火事で両親を失っており、当時の真相を暴くためにタイムパズルが発生しますが、結局はまあそういうことね、というオチ。好物はトウモロコシ。CVは村川梨衣

 

冬編

なんやかんやで凛音を助けるために主人公・刹那は冷凍睡眠装置に入り、舞台は2万年後。西暦22016年の世界は辺り一面雪に覆われ、人類は巨大階層式シェルター『アイランド』で暮らしています。夏編のヒロインと同名のリンネ・サラ・カレンが登場します。ルート分岐は無し、リンネちゃんの一本道です。

刹那は記憶を失くしていますが、誰かを助けるためにこの時代に来たことだけは覚えていて、世界を救うと豪語するリンネちゃんと共にタイムマシンを製作することになります。ありがちな政治的ごたつきがあってアイランドは衰退していきますが、タイムマシンは完成。刹那は時間を跳躍します。

 

真夏編

というわけで舞台は再び浦島へ。二度と凛音を失うことのないよう、刹那は奔走します。おとぎ話の意味、3部の時系列など真相が明らかになり、細かい伏線も回収されていきます。いったい彼はどれほど長い時間を渡り歩いてきたのか、凛音(リンネ)はいつになったら輪廻の鎖から解放されるのか。壮大な運命と時の流れが感じられるラストです。

 

率直に綺麗な絵という感じ。立ち絵はもちろん可愛いですが、背景やイベントCGが鮮明で美しい。島の夏の風景は疲れを癒してくれます。

 

音楽

まあまあ良かったです。夜のシーンが多いからかゆったりとして落ち着いた曲が多いです。お気に入りBGMはホーム画面で流れる『繰り返す季節の中で』と『明日があるとしても』。

 

雑感

  • 最後は凛音かリンネを選ぶことになりますが、刹那視点だとどちらも同じだと思います。凛音を選んだとしても生まれ変わりだと気づかず、リンネだと思い込んでしまっているので。でもそれがリンネの望んだ結末であり、連鎖から解放されたという意味でハッピーエンドなんですねきっと。
  • やはり時間は過去から未来への一方通行で、逆向きに流れたりはしないんだな......と一瞬落ち込みましたが、最後の最後で時間遡行型タイムマシンの可能性が示唆されてテンション上がりました。ここが本作の良いところ。
  • 氷河期以前に超文明が栄えていたとしたらドッキドキーのワックワクーですね。オカルトに目覚めてしまいそうだ......
  • これだけは言わせてもらってええか。リンネちゃん可愛すぎなんよ。ランランララン~♪アイランジャ~♪ 戦え!アイを守るため~♪ってね。どうもすみません。
  • 声優が豪華で良い。

 

タイムトラベルは可能だと信じているよ。 

以上。