【感想】SF小説 その⑤

 

他ジャンルにかまけているので結局ペースあがらず。

 

世界の涯ての夏(つかいまこと)

世界の涯ての夏 (ハヤカワ文庫 JA ツ 4-1)

前々から気になっていたし、夏が舞台の作品が読みたいと思ったので購入。”涯て”と呼ばれる異時空間が出現し、ゆっくりと世界が浸食されていくという話。ボリュームを抑えて必要な箇所だけコンパクトに描いているという印象です。クセがなく読みやすい文体ですが、内容は思ったよりもハードでした。終末ものというよりファーストコンタクトものといった方が正しいですね。人類は”ヒト”としての生を捨て、時間や自意識に束縛されない存在となります。

 

ソラリススタニスワフ・レム

ソラリス (ハヤカワ文庫SF)

タルコフスキーの映画は見たことあったんですが、原作は長らく積んでおりました。ソラリスという未知の惑星を調査する話で、調査ステーションに滞在する研究者たちが、理解不能な現象に苦悩する様子が描かれています。物語の流れ、基礎的なギミックは分かりやすく、表面的には宇宙的恐怖を取り入れたラブ・ロマンスという感じ。しかし、”対称体”・”非対称体”の説明やソラリス学の歴史など、病的なほど緻密な設定描写を挟むことで、SFとして異様な深みが出ています。解説に書かれている通り、この特徴は多様な”読み”を可能にするものですが、割と唐突にハードモードに突入するので、フラットな物語を軸に読んでいる人は置いてけぼりにされてしまうのではと思いました。

 

アルクトゥールスへの旅(デイヴィッド・リンゼイ

アルクトゥールスへの旅

キラキラの装丁に惹かれて買った本。少々高めの値段ですが、相応に濃い内容となっています。アルクトゥルスの架空の惑星トーマンスを旅する話で、地球から宇宙船で飛び立ち、異星人との交流を通して”マスペルの光”へ至るまでが描かれています。全体を通して観念的な内容であり、主目的さえ掴むのが困難でした。トーマンスの世界観も独特で、没入できれば強烈な読後感が得られそうですが、僕は全然ついていけず.....。あとがきによると、このトーマンスの圧倒的な描写により、フィクション=”虚”であるにも関わらず、読者に”実”体験にも似た感覚を植え付けるのと同時に、物語の中でトーマンスは作られた”虚”の世界であり、マスペルが”実”世界であると言及することで”虚”と”実”のあわいを重層的に描き出す構造になっているらしいです。しかし、それだけでなく、細部には善悪や感情などに関する記述も見られ、人間の道徳観や倫理観が通用しないトーマンスの秩序と対比させることで、そうした普遍的なテーマについて論じていく包括的な思弁小説だと言えます。

旅に出る時ほほえみを(ナターリヤ・ソコローワ)

旅に出る時ほほえみを (白水Uブックス)

おとぎ話調のSF。”怪獣”という人語を解する掘削機を発明した研究者が、専制へ傾倒する国への反感と安泰を喪失する不安との間で揺れ動く様が描かれています。基本的に登場人物には固有名詞がなく、《人間》《見習い工》《総裁》といった一般名詞で表現されているのが特徴です(しかし、ヒロインだけは『ルサールカ』という名前がついている)。ロシア文学特有の湿り気のある鬱々とした雰囲気は好みなんですが、政治的アレゴリーが強くて正直そこまで入り込めませんでした。ただ、”忘却の刑”に処されてしまいたいなぁ......とは思いました。

 

ウィトゲンシュタインの愛人(デイヴィッド・マークソン)

ウィトゲンシュタインの愛人

世界でたった一人になった女性の独白を綴った物語。世界が終末を迎えた過程については記述がなく、彼女の行動(道端の車を勝手に乗り回したり、美術館の絵を燃やしたり、世界中を探索したり...etc.)によって、彼女の他には誰もいないことが示唆されています。カバーソデに内容紹介がありますが、それを予め読んでおかないと何の本なのかさっぱり分からないでしょう。というのも、主に書かれているのは美術・ギリシア神話・言語・歴史上の人物などに関する雑多な知識の断片であり、まとまりのない連想でしかないからです。文章も不自然であり、もはや彼女は狂っていて正常な思考ができないことが分かります。しかし、正常でなくとも彼女が”考える”ということ、その思考によって回転する知識の数々は紛れもない”事実”ではないでしょうか。世界の終末という非現実的な状況の中で、そうした確固たる”事実”に縋りつくことで必死に正気を保とうとする、そんな空虚な試みが描かれた作品だと思いました。

 

 

しばらく歴史の本を読もうと思っています。

数ヶ月後に、また......。

 

 

【感想】終ノ空(ツイノソラ)

 

古いゲームだったので動くか心配でしたが、問題なくプレイできました。

 

終ノ空

全ての対が終える空

*パッケージ裏より引用。

 

概要

1999年に発売されたケロQのデビュー作。狂気を扱った作品としてカルト的な人気があり、『さよならを教えて』『ジサツのための101の方法』と合わせて、三大電波ゲーと呼ばれています。哲学を基調としており、生と死、有限と無限、存在と非存在などがテーマとなっています。

 

シナリオ

主要人物は以下の5人。ある日校内で起きた飛び降り自殺事件を契機として、”世界の終わり”という概念が学校全体を狂気に染めていく様子が描かれています。『マルチビュー』システムにより、主要人物それぞれの視点から(彩名は除く)一連の流れを読み解いていく構造になっています。エンディングは二つだけで、琴美と彩名。

 

水上 行人(みなかみ ゆきと)

第一の視点(ファーストビュー)。ざくろの自殺をきっかけに狂っていく世界に対して、比較的楽観的な態度を取っていた少年。しかし、幼馴染の琴美が危険に晒され、集団自殺が起こるという取り返しのつかない状況に至って、ただ傍観していたことを悔やむことに。

この視点で登場する、二律背反(アンチノミー)と理性の限界という哲学、ウィトゲンシュタインの『語りえぬことには、沈黙せねばならない』という言葉は、”終ノ空”の概念、現実世界に対する行人の接し方を理解するためのヒントになっています、多分。

 

若槻 琴美(わかつき ことみ)

第二の視点(セカンドビュー)。集団狂気に染まらず、正気を保っていた少女。しかし、それ故に狂人からの憎しみを買い、R18指定のなんかすごいことに巻き込まれてしまいます。行人の幼馴染であり、彼に恋心を抱いていますが、彼ほどに強くなれないことを歯痒く思っており、自分のような弱い人間では釣り合わないと考えています。琴美が狂気に染まらなかったのは、徹底して傍観者たり得た行人の強さに依存していたからだといえます。

 

高島 ざくろ(たかしま ざくろ

第三の視点(サードビュー)。狂気を生み出した飛び降り自殺事件の当事者。小沢というチンピラからR18指定のなんかすごいイジメを受けており、世界を呪っていた女の子。自分はこんなクソみたいな人生を送るために生まれたのか、自身の生の意味を考えながら悲観に暮れていた彼女の元に、一通の手紙が届きます。そこには衝撃の事実が書かれていました。なんとざくろちゃんは、前世で世界を救った三人の戦士のうちの一人だったのです。その名もエンジェルアドバイズ。他二人の戦士と共に”大いなる災い”を退け、力を再充填するために転生しましたが、抜け目のない敵は彼女の記憶を封印し、力を取り戻すのを妨げるために、小沢のような悪の手先を遣わしたのです。そして今、再び”大いなる災い”が世界の終焉をもたらそうとしており、ざくろちゃんは”スパイラルマタイ”を実行して再び力を取り戻し、世界の危機を救う戦士となるのです......!!

というような誇大妄想に取りつかれた彼女は、”スパイラルマタイ(死寸前の状態の再現)”のために屋上から飛び降り、地面に到達する寸前で力を取り戻せると本気で信じて死んでいきました。ざくろちゃんは、そんな荒唐無稽な妄想に縋らなければいけないほど、生きる理由を切望していたのですね。

 

間宮 卓司(まみや たくじ)

第四の視点(フォースビュー)。ざくろ同様、小沢やその取り巻きからイジメを受けている少年。ざくろの死後、リルルちゃんという卓司の空想上の魔法少女(作中で放送されていたテレビアニメのキャラクターかも?)との電波的な会話を通して、存在の至りに到達し、この世界が嘘で満ちているという真実に気づきます。そして、完全な世界への”兆し”なるものを得て、現実世界の終わりを吹聴し、学校全体を狂気の渦に巻き込む首謀者となります。彼曰く、その完全な世界こそが”終ノ空”であり、そこに至るためには徹底的に堕落し、人間としての尊厳や誇りなどは捨てなければならないとのこと。というわけで、この視点でもR18指定のなんかすごいあれこれが起こります。

彼に感化された生徒たちは、世界の終わりと完全な世界の存在を妄信し、屋上から集団飛び降り自殺を図ります。卓司自身も最後に飛び降りて、”終ノ空”へと至ります。一番電波感があり魅力的な視点なんですが、最後の方はでたらめすぎてなにがなんだか......。精神破綻をきたした人間が見る幻覚のようなものです。

 

音無 彩名(おとなし あやな)

視点(ビュー)無し。”終ノ空”の概念を卓司に植え付けた人物であり、物語のカギを握ってるっぽい不思議系女子。各視点で分岐となりそうなポイントで茶々を入れてきて、何もかも分かってる感を出していますが、おそらく良い方向に転じようと頑張っているだけだと思います。キリンさんがすき......でもゾウさんはもっとすき......

 

音楽

終始不穏なBGMが流れていて非常に良いと思います。作品の雰囲気を形作っています。特にエピローグで流れる『おわりのうた』がお気に入りです。

www.youtube.com

 

かなり特徴的。とくに卓司視点で登城する『不安』の絵や、卓司を見つめるグロテスクな化け物などが効果的に狂気を演出しています。場面転換の際に、背景の空に浮かんでいる謎の”目”のようなものはなんなんでしょうか?よく分かりませんが、サブリミナルに沁み込んでくる恐ろしさがあります。立ち絵もちょっと変わっていて、卓司と彩名以外なんかクセが強いです。

 

考察

よく分からないまま話が進み、なんだかよく分からない形で終わってしまうので非常に難解。何度かやり直して見方を変えつつ読み解いていかないと深い考察はできないと思いますが、現時点で一応整理しておきたく。

 

それ以後・・・の世界

世界が終わると噂されていた20日以後、行人は学校の校門前で記憶を失くした状態で目を覚まします。その後琴美ルートなら教室へ、彩名ルートなら屋上へ場面が移ります。

ここは正直何度エピローグを見返してもよく分からないので、以下の二通りで考えてみます。

  • 琴美ルートが”無限”であり、彩名ルートが”有限”である場合

この場合、琴美ルートでは現実世界は終わらず続いていき、行人は琴美と永遠の日常を共有していくことになります。しかし、その日常(その時間・空間)はそれまでの積み重ねの上にあるのであって、そこに繋がる時間・空間(行人と琴美の出会い、一緒に通ってきた通学路など)が確かに存在するはずではないでしょうか。そう考えるとどこかに只今の日常に接続する”始まり”があったはずであり、無限だと思われていた世界は、実は有限ということになります。つまり、琴美ルートで象徴されるのは『無限の中の有限』というパラドックスです。

対して、彩名ルートでは現実世界は終焉します。終わったということは世界は”有限”であったということであり、行人と彩名がいるのは”奈落(有限の外側)”ということになります。”終わり”があったということは、”始まり”があったということですが、その”始まり”を生んだ何かがあったはずで、さらにその何かを生んだ何かが......というように無限に”始まり”が連なっていきます。こちらのルートでは、有限だと思われていた世界が、実は無限だったということになります。『有限の中の無限』というパラドックスです。行人が「校門前で目を覚まして屋上にいる彩名に会いに行く」という行動を何度も繰り返しており(つまり無限の”始まり”)、それが”奈落”へ踏み出すごとに起きているのではないかと思える描写があるので、この解釈はある程度合っているような気がします。

  • 琴美ルートが”有限”であり、彩名ルートが”無限”である場合

この場合でも、琴美ルートでは現実世界は終わらず続いていきます。まあものは言いようなんですが、こちらは一般的に”有限”だといわれている現実世界(ドカンと一発で時空間が”始まった”世界)が”無限”に続いていくという考え方になります。琴美ルートのエピローグ冒頭では彩名が出てきますが、この時の世界は”無限”なのかもしれません。その後の生と死に関する会話で、行人は「生が死に至る病である」ことを認めた上で生の祝福を肯定していることから、彼は無限よりも有限(生まれて死ぬ存在であること)を望んでいることが分かります。だから、彩名は彼を有限の現実世界に戻したのでしょう。その世界で、彼は琴美と共に永遠の日常、『有限の中の無限』を過ごしていくことになります。

対して、彩名ルートでは、行人は”有限”の現実世界から離れて”無限”の世界に閉じ込められます。世界自体は無限(”始まり”も”終わり”もない)ですが、行人と彩名が屋上にいる”今ここ”があるということは、どこかに必ずその日常の”始まり”があったのでしょう。つまり、こちらでは無限の世界の中で、彩名と共有する”今ここ”という有限を永久に連ねていくということになります。無限に内包された有限、『無限の中の有限』の日常です。

しかし、彼らと世界のどちらが有限でどちらが無限であっても、存在するということは、そこにまず時間・空間があるということであり、彼らの存在はあくまでも世界ありきということになります。世界の内側にいる彼らには、有限の世界が無限に続いているのか、無限の世界の中で有限が連なっているのかを知るすべはありません。それこそが”理性”の限界であり、この二つのエンドで表現したかったことなのではないかと思います。

 

終ノ空とは何か

端的に言えば、『人間の理性を超越した世界』ということだと思います。”始まり”も”終わり”もない世界なので無限の一種であることは確かですが、そこには上記で述べたような有限による矛盾はありません。その世界には”存在する”ことができません。なぜなら存在してしまうと、”今ここ”を規定しなければならなくなり(世界の内側にいることになり)、先ほどと同じように有限の矛盾が生じてしまうからです。卓司は終ノ空のことを『存在の至り』と呼んでいましたが、世界そのものに”成る”というニュアンスの方が近いのかもしれません。

卓司視点で三角で四角で高次元がうんたらかんたら言っていたので、終ノ空は物理的な高次元宇宙のことを指しているのではないかと思っていましたが、上記の通り極めて観念的な事柄だということが分かります。また、彩名エピローグで「”終ノ空”は、この空に繋がっていてはいけない」というようなことを言っており、有限・無限の矛盾を孕んだ彩名エンドの世界に対して、終ノ空はその矛盾が無い世界であることが逆説的に分かります。

 

音無彩名は何者か

最後まで答え無しですが、仮に終ノ空が実在するならば、かつて”終ノ空だったもの”ではないでしょうか。上記で述べたように、矛盾の無い完全な無限世界には”存在”することができません。人間も動物も物もなく、単に<である>ことしかできないのだと思います。そんなのクソつまらんしやめたるわと思い立った彩名は、有限という不完全を求めるようになり、その観念を共有できる人間を探していたのではないかと思います。

完全な世界を夢想するのは、この世界が不完全であることを実感している人間です。この世は嘘で満ち溢れた不完全な世界であり、人間は自ら虚構を纏いながらでないと生きていけない。ならば、元々生きることに意味などないのではないか。そんな誰に問うても”語り得ぬ”ことに目を向けた人間に対して、彩名は”終ノ空”という完全な世界の概念を植え付け、それを知ってなお”完全”に魅了されず、冷静に見つめて有限の”不完全”を選ぶ人間を待っていたのではないでしょうか。

ここに卓司と行人の違いがあります。卓司はイジメを受けていたこともあって、自らの生きる意味を悲観的に捉えていました。彩名との会話によって「”兆し”を得た完全な世界=終ノ空なのだ」と理解した卓司は、その”完全さ”に目が眩んで、自分の生の意味とは「この不完全な世界とはおさらばして完全な世界へ至ることだったのだ」と思い込みます。それまで生を悲観していた分、その思い込みは一層強いものだったでしょう。そのため、上述のような完全な世界が完全であるがゆえの欠陥を持っていることに気づきませんでした。あるいは、気づいていたかもしれませんが、嘘で満ちた不完全な世界よりはましだろうと考えていたのではないかと思います。

行人も同様に生の真の意味を考えていたので、”終ノ空”の概念を彩名から授かりました。しかし、卓司と異なるのは、純粋に生きる意味を問うていたということです。悲観から入った卓司は、生きる意味という誰も”語り得ぬ”ことを堂々と皆に問いかけましたが、行人はそれに対して”沈黙し”、それから一歩先へ進んで「生きる意味など誰も分からないが、間違いなく生は祝福されてもいる」という考えに辿り着きます。生まれた時点で死は決まっており、あまつさえ嘘を寄る辺に生きていかなければならないので『生は呪い』だと言えるでしょう。しかし、確かに行人の言う通り、なぜか生まれることは祝福されます。このことから、行人は『人間には何らかの生への意思』があり、生は呪いであると同時に祝福されてもいるという結論に至ります。その上、彼は完全な世界が完全であるがゆえの欠陥に気づいていたので、そんな欠陥のある世界<である>よりは、不完全ではあるが祝福されている生(つまり死であり”有限”)の方が良いだろうと考えたのではないでしょうか。

行人は”終ノ空”に至ることなくその考えに到達することができたので、彩名は彼を尊敬していたのだと思います。

 

その他雑感

  • 狂った作品なのは確かですが、テーマはありふれたものであり、狂っていて難解であるがゆえに、ありきたりな台詞が胸に残ります。
  • テキストが短くて読みやすいです。速い人だと4~5時間でクリアできますが(つまり”有限”)、それだとよく分からないと思うので(つまり解釈は”無限”)、何度もやり直すことになると思います(つまり無限の”始まり”=”有限の中の無限”)。
  • バックログ無しってマ?

 

なかなか時間をかけて書き上げましたが、自分が何を書いていたのかよく分からなくなってきた......まあ、なんかとりあえず達成感はある。

 

 

 

【感想】ISLAND(PS Vita版)

 

涼しげなパケだったので買いました。

 

ISLAND - PSVita

原子が完全に静止するってことは、時空震の影響も受けないってことだから、現在から消えて過去に突き進むの。

*作中より引用。

 

概要

グリザイアシリーズで有名なフロントウイングから発売されたSFおとぎ話。タイムトラベルを扱っており、道中では割と複雑なパラドックスが展開されます。思った以上に壮大なオチで、ここまで広げて終わる作品はあまり見たことがありません。実はアニメやってたらしいですね。知ってました?僕は知らずの民でした。

 

シナリオ

本作は3部構成で、夏編・冬編・真夏編の順にルートが開いていきます。

 

夏編

『浦島』を舞台とし、その地に伝わるおとぎ話に登場する”刹那”・”凛音”・”夏蓮”・”紗羅”と同じ名前を持つ人間が一堂に会し、なんか意味ありげな伏線が次々と張られていくパート。サブヒロインへの分岐があるのはこのパートのみです。

 

浦島御三家のひとつ『御原家』の長女。”煤紋病”への恐怖心から日中はあまり外を出歩かない、半引きこもりの女の子です。このゲームは実質彼女一本道という感じなので、必然伏線が多くなり複雑なルートになっています。特に終盤あたりのタイムパズルは、紙に書き起こさないと理解できませんでした。CVは田村ゆかり

 

  • 枢都 夏蓮(くるつ かれん)

浦島御三家のひとつ『枢都家』の長女。古いしきたりに囚われた島から出て、本土で暮らすことを夢見ている女の子です。彼女のルートが一番ノーマルで分かりやすいですが、本筋とはあまり関係がありません。他人に頼ることなく、自らの意思で進むべき道を決めていく、夏蓮の成長が描かれた話でした。ツンデレ気質なのが良いね。CVは阿澄佳奈

 

  • 伽藍堂 紗羅(がらんどう さら)

浦島御三家のひとつ『伽藍堂家』の長女。オカルト好きな女の子で、彼女の発言は少なからず物語の真実を捉えています。5年前に火事で両親を失っており、当時の真相を暴くためにタイムパズルが発生しますが、結局はまあそういうことね、というオチ。好物はトウモロコシ。CVは村川梨衣

 

冬編

なんやかんやで凛音を助けるために主人公・刹那は冷凍睡眠装置に入り、舞台は2万年後。西暦22016年の世界は辺り一面雪に覆われ、人類は巨大階層式シェルター『アイランド』で暮らしています。夏編のヒロインと同名のリンネ・サラ・カレンが登場します。ルート分岐は無し、リンネちゃんの一本道です。

刹那は記憶を失くしていますが、誰かを助けるためにこの時代に来たことだけは覚えていて、世界を救うと豪語するリンネちゃんと共にタイムマシンを製作することになります。ありがちな政治的ごたつきがあってアイランドは衰退していきますが、タイムマシンは完成。刹那は時間を跳躍します。

 

真夏編

というわけで舞台は再び浦島へ。二度と凛音を失うことのないよう、刹那は奔走します。おとぎ話の意味、3部の時系列など真相が明らかになり、細かい伏線も回収されていきます。いったい彼はどれほど長い時間を渡り歩いてきたのか、凛音(リンネ)はいつになったら輪廻の鎖から解放されるのか。壮大な運命と時の流れが感じられるラストです。

 

率直に綺麗な絵という感じ。立ち絵はもちろん可愛いですが、背景やイベントCGが鮮明で美しい。島の夏の風景は疲れを癒してくれます。

 

音楽

まあまあ良かったです。夜のシーンが多いからかゆったりとして落ち着いた曲が多いです。お気に入りBGMはホーム画面で流れる『繰り返す季節の中で』と『明日があるとしても』。

 

雑感

  • 最後は凛音かリンネを選ぶことになりますが、刹那視点だとどちらも同じだと思います。凛音を選んだとしても生まれ変わりだと気づかず、リンネだと思い込んでしまっているので。でもそれがリンネの望んだ結末であり、連鎖から解放されたという意味でハッピーエンドなんですねきっと。
  • やはり時間は過去から未来への一方通行で、逆向きに流れたりはしないんだな......と一瞬落ち込みましたが、最後の最後で時間遡行型タイムマシンの可能性が示唆されてテンション上がりました。ここが本作の良いところ。
  • 氷河期以前に超文明が栄えていたとしたらドッキドキーのワックワクーですね。オカルトに目覚めてしまいそうだ......
  • これだけは言わせてもらってええか。リンネちゃん可愛すぎなんよ。ランランララン~♪アイランジャ~♪ 戦え!アイを守るため~♪ってね。どうもすみません。
  • 声優が豪華で良い。

 

タイムトラベルは可能だと信じているよ。 

以上。

 

 

【感想】SF小説 その④

 

虚構に生きるオタク。

 

零式(海猫沢めろん

零式 (ハヤカワ文庫JA)

古本屋で見かけて雑に買って雑に読もうと思っていたんですが、期待以上に面白くて引き込まれてしまった作品。ジャンルとしては歴史改変ディストピアもの、みたいな感じでしょうか。疾走感のある文体、凄絶なアクションシーン、グロテスクな描写、そういったラノベ的表現と、時々挟まれる文学的・哲学的表現が奇妙に調和している印象を受けました。内面を垂れ流しているあたり明らかに思春期向けなんですが、僕には効いた。

 

氷(アンナ・カヴァン

氷 (ちくま文庫)

凍てついた氷の世界で、一人の少女を追い続ける男の話。なんだかよく分からないけど静謐で美しいものを見た気分になれます。現実と夢が入り混じった迷宮的描写、実在と幻影の狭間で揺れ動く”少女”、迫りくる冷酷な”氷”のビジョンにより、孤高の夢幻世界が完成しています。序盤からそんな具合なのでちょっと苦しいですが、中盤以降は線が整っていく感じがしました。カバーがかっこいい。

 

シリウスオラフ・ステープルドン

シリウス (ハヤカワ文庫 SF 191)

人間と同等、あるいはそれ以上の知能を備えた「シリウス」という犬の一生を綴った物語。理性と野性の葛藤を通して語られるのは、”人間”に対する徹底した思弁と、不条理に満ちた世界における霊的結合の刹那の輝きです。全編にわたって悲観的な傾向がありますが、シリウス、お前の気持ちは分かるぞ。人間も世の中もむつかしいね。

 

夏への扉(ロバート・A・ハインライン

夏への扉

これを読まずしてSF好きを公言していたとは......片腹痛いですね。タイムトラベルを扱った古典SFとしてかなり有名で、初出は1956年。しかし古臭さは感じられず、小難しい物理理論や複雑なタイムパラドックスも出てこないので、非常に読みやすく万人にオススメできる作品だと思います。作中では西暦2000年を未来として描いていますが、2020年となった現在、冷凍睡眠装置も、火星への定期航路も、滑走道路も、タイムマシンも存在しないという虚しさ。「こうはならんかったな......」と呟きながら読みました。

 

確率人間(ロバート・シルヴァーバーグ

確率人間 サンリオSF文庫(ロバート・シルバーバーグ 田村源二(訳 ...

未来透視を題材にした作品。序盤はただの政治ドラマですが、途中からSFっぽさが加わっていきます。二時間線理論という逆時間の並行宇宙を仮定した理論で、未来透視の原理を説明しています。未来が見えても周囲の人々が信じてくれなければ現在は変えられず、そうした透視能力を持つ人間の孤独と運命論的諦念が描かれた物語でした。一番の魅力は訳の上手さで、昔のSFにありがちな突然の夢幻パートも淀みなく読めました。

 

ペース上げていきたい。

以上。

 

【感想】SF小説 その③

 

1冊読んでる間に数冊増える。

永久に抜け出せないSFの迷宮。

 

自生の夢(飛 浩隆)

自生の夢 (河出文庫)

「文字」や「音」をテーマとした短編集。濃度の高い文章に、想像力をグイグイ引きずり出されるような感じでした。個人的には『海の指』が一番良かったです。著者の本は初めてだったのですが、結構ハマりました。他の作品も読んでいこうと思います。

 

11 eleven(津原 泰水)

11 eleven (河出文庫)

幻想小説というやつ。洗練された綺麗な文章なんですが、すらすら読んでいくといつの間にか迷子になってしまうという不思議な感覚があります。女性の顔面が迫ってくる幻覚に囚われた男の物語『微笑面・改』が、印象に残っています。

 

からくりアンモラル(森 奈津子)

からくりアンモラル (ハヤカワ文庫JA)

SF要素を取り入れた官能小説集。SFマガジンの百合特集で見て購入したんですが、半年ぐらい放置してました。嫌悪感を催すようなハードプレイが登場しがちですが、その裏にある純粋な愛情には心惹かれるものがあります。一番良かったのは『いなくなった猫の話』。

 

サマー/タイム/トラベラー 全2巻(新城カズマ

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

夏なのでタイムトラベルものをな、と思い読みました。文体にクセがあり、かなり衒学的なところが目立ちますが、それも含めて青春を感じられる作品でした。物語のラスト、ヒロインの悠有が未来へ駆けていくシーンにはじわりと涙が……。僕も”此処ではない何処かへ”行きたいなぁ~~。

 

スカイ・クロラ(森 博嗣)

スカイ・クロラ (中公文庫)

戦闘機系SFですが、ハイスピードなアクションシーンはほとんどありません。終始平坦な印象で、大切なことは行間に込められている感じ。読み取る力が足りないので、腑に落ちていない点が多いです。記述の仕方といい、テーマといい、ゼロ年代が薫り立つ作品。

 

以上。

【感想】G線上の魔王

 

るーすぼーいの作品といえば、これと車輪の国ですかね。

エロゲ界では結構有名です。

 

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真冬。

粉雪の舞う大都市に”魔王”が出没した。

望みは、無論、人間社会の崩壊である。

......少女は、正体不明の”魔王”をあぶりだすべく、

頭脳を駆使した心理戦をしかけていった。

......十年ぶりの再会――

いま、命をかけた純愛ドラマの幕が上がる――

 *パッケージ裏より引用

 

概要

裏社会を舞台とした復讐劇。ジャンルはクライムサスペンス?ミステリー?そんなところです。勇者と魔王の頭脳戦が魅力であり、緊迫感のある演出に自然と引き込まれます。本作でも、るーす特有の叙述トリックが随所に仕掛けられています。

 

シナリオ

攻略対象は4人。メインとなる勇者と魔王の復讐劇から枝分かれする形で、サブヒロインルートが展開します。サブヒロインを一人ずつ振っていけば、自ずとグランドエンドに辿り着きます。

 

美和 椿姫(みわ つばき)

主人公・浅井京介(あざい きょうすけ)のクラスメイト。純粋で人を疑うことを知らない。決して裕福ではないが、温かい家族に囲まれて育った普通の女の子。

感想

魔王の策略により家庭を破壊され、善良な心を失いかける椿姫。しかし、弟の純粋無垢な気持ちに触れ、我を取り戻します。揺るがなき信念で檻をぶち壊すタイプの物語、るーすの作品でよく見かけますが、とても好きです。京介が、身一つで若衆から椿姫の家を守ろうとするシーンは胸が熱くなりました。

 

浅井 花音(あざい かのん)

京介の義理の妹。浅井権三(京介の養父)の愛人の娘。実力あるフィギュアスケーターであり、世界へ羽ばたく素質を備えている。ブラコンなので、京介と一緒に居たがる。

感想

魔王の策略は登場しますが、核となる問題は別のところにあり。周囲から金を生む道具として見られていることに悩み、自分を見失う花音。長年寄り添ってきた母親も信じられず、情緒不安定になってしまいます。

いまいち響かない話でした。過剰な自信と強迫観念を捨て去り、どうしようもない母親を受け入れることが鍵だったということでしょうか。

 

白鳥 水羽(しらとり みずは)

京介のクラスメイト。独りでいることが多く、友人も少ない。京介を敵視しており、話しかけてもつっけんどんな態度を取る。

感想

魔王の策略により、立てこもり事件に巻き込まれる水羽。やっと再会を果たした義理の姉・時田ユキは、事件後に突如失踪してしまいます。姉を頼ってばかりだった水羽の成長物語なのですが、肝心の成長過程が見えないのが残念でした。また、姉妹の絆みたいなのも描いているのですが、この点に関しては、なぜかメインルートでのイベントの方が色濃く出ています。なので、水羽ルートはメインルートでのユキ・水羽イベントを合わせて初めて完成すると言えます。

恋人になると思い切り甘えてくるキャラ(車輪の国の灯花みたいなやつ)かと思いきや、全然甘えてくるシーンがない!!なんでや......そういうのあってもええやろ......。

珍しくバッドエンドが印象に残っているルートでもあります。

 

宇佐美 ハル(うさみ はる)

京介のクラスに転校してきた少女。本作のメインヒロインであり、自称”勇者”。顔全体が隠れるほどの長い黒髪が特徴。復讐のために”魔王”を追っている。”魔王”と渡り合う優れた頭脳を持っている。

感想

魔王の策略により、街に地獄がもたらされます。ハルが魔王を追う理由、ハルと京介の過去、魔王の正体など、次々に伏線が回収されていきます。このルートの魅力は、やはり頭脳戦でしょう。魔王の思惑を予想しながら読み進めていくのも楽しいかもしれません。

復讐が新たな復讐を呼ぶ。憎しみの連鎖を止めるため、自ら悪を被る京介、かっこよすぎませんか。ラストが救いなのか、それとも新たな連鎖への入口なのか、受け取り方次第ですね。

 

車輪の国と同じく、有葉さんの立ち絵です。ヒロインは可愛らしく、やわらかい印象があります。京介の友人である相沢栄一(あいざわ えいいち)のワル顔も面白いですし、浅井権三の立ち絵も迫力があって良いと思います。

背景は取り立てて特徴ないですが、普通に綺麗でした。

 

音楽

クラシックをアレンジしたBGMが多いです。聞いてると「ああ、あの曲か」となります。おしゃれで良いと思います。

 

その他雑感

  • 車輪の国と比べるとインパクトに欠けますが、意図的に主張を避けてサスペンス主体に仕上げているのではないかと思います。
  • 叙述トリックは小刻みなのと、大きいのがあります。しかし、あまり強くありません。(エンドロール後のアレは叙述トリックと呼べるのだろうか、騙されたけどね!)
  • 正直、サブヒロインはおまけ感がありました。あくまでもメインルートを見せたいのだなと。
  • ほとんどシリアスですが、たまに入るギャグがクスっと笑える感じで良い。

 

これで、るーす作品は制覇しました。

ん?そういえば太陽の子は......? 

 

【感想】SF小説 その②

 

SFを買いすぎた男。

いつ消化できるか分からん。

 

宇宙の戦士(ロバート・A・ハインライン

宇宙の戦士

地球の安寧を脅かす異星体”クモども”。地球連邦軍に志願した主人公・ジョニーは、”強化防護服(パワード・スーツ)”を装着して戦う”機動歩兵隊”に配属され、クモどもを叩きのめすべく敵惑星への降下を繰り返します。

ジョニーの訓練校時代から始まり、士官となってクモどもの中枢に殴り込むまでのお話。この作品で描かれる宇宙戦は、宇宙空間を舞台にしたものではなく、惑星での地上戦です。作者の社会・政治思想が強調されており、あとがきで若干物議を醸しています。文章が軽快で読みやすく、戦闘描写はスピーディで引き込まれました。ジョニーの軍人魂が熱い。

 

所有せざる人々(アーシュラ・K・ル・グィン

所有せざる人々 (ハヤカワ文庫SF)

宇宙の彼方、どこかの恒星系を巡る双子惑星”ウラス”と”アナレス”。約二世紀前、ウラスで革命を起こした”オドー主義者”たちは、アナレスへ移住し、共産主義体制を確立しました。アナレス人は、権力・所有欲・利己主義に取り憑かれたウラスの社会形態を嫌悪しており、両惑星間に人の移動はなく、実利的な交易関係があるのみです。そんな中、アナレス人の理論物理学者シェヴェックは、ウラスの物理学者に招かれ、アナレスからの初めての来訪者としてウラスに降り立ちます。

現在を描いたウラス編と、シェヴェックの半生を描いたアナレス編が交互に進んでいきます。思春期、人生哲学、理論物理、社会、政治、ジェンダー、人種、あらゆる要素が含まれていますが、わざとらしさは感じられず、物語の一部として自然に受け取ることができます。共感できる部分が多く、最近読んだ中では一番良い作品でした。凝った表現もなく、読みやすいのでオススメです。

 

中継ステーション(クリフォード・D・シマック

中継ステーション〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF シ 1-5) (ハヤカワ文庫SF)

アメリカの片田舎に住んでいる主人公、イーノック。彼は南北戦争より百年以上、世間との関わりを断って、ひっそりと暮らしています。長い間老いることなく生き続けているイーノックを不審に思い、CIAは彼を監視し始めます。実は、彼の住む一軒家は、銀河を旅する異星人が立ち寄る中継ステーションであり、彼は銀河本部より任命されたステーションの管理人だったのです。

序盤の引きがちょっと弱い気がしますが、中盤から終盤にかけてボルテージが上がっていく感じがありました(ラストは蛇足かなと思いましたが)。東西冷戦期の不安感、悲観、諦念が反映されている一方で、世界平和への力強い祈りが感じられる物語です。

イーノックが時おり幻視する戦場の記憶、血と泥にまみれて立ち尽くす戦士の姿が、とても映像的で印象に残っています。ヒロインの特性がちょっとオタクっぽいのも良いですね。全宇宙を平和に導く、選ばれし感応者たる少女です。

 

分解された男(アルフレッド・ベスター

分解された男 (創元SF文庫)

透視能力を持つ人間”超感覚者”が存在する時代。彼らの出現により犯罪は激減し、人類は監視社会の中で生活しています。主人公のベン・ライクは、他惑星に事業を展開する巨大企業モナーク物産の社長。彼は、監視社会の網を上手く潜り抜け、商売敵であるクレイ・ド・コートニーの殺害を成し遂げます。刑事部長のリンカン・パウエルは、ライクが犯人だといち早く気づき、決定的証拠を挙げようと調査を始めますが、ライクはあの手この手で捜査網をかいくぐっていきます。やがて、攻防の果てに、ライクとパウエルは事件の真相にたどり着きます。

SFギミックの豊富なミステリー。いわゆるページターナーというやつですね。文体はちょっと古臭いですが、純粋に続きを読みたくなる作品です。超感覚者の精神波による会話を表現するために、版面をかなり工夫しています。独特の言い回しが多く、つい使いたくなってしまいます。『緊張、懸念、不和が来た!』

 

アインシュタイン交点(サミュエル・R・ディレイニー

アインシュタイン交点 (ハヤカワ文庫SF)

遥か未来、人類が消え去り、異生物が住み着いている地球。田舎に暮らす少年・ロービーは、想い人のフライザを殺したキッドを探し出すため、村を旅立ちます。ドラゴンを使役する一団や、旧人類の遺産であるコンピュータ、自らをシンボル化する妖女などとの出会いを経て、ロービーはキッドと対峙します。

幻想SFですね。詩的な文章と何かを暗示しているような表現。物語の大枠は掴めますが、細部はまとまりを欠いて混沌としている感じです。個人的に苦手なタイプの小説です。想像力が追いつかない。鍛えていかんとな。

 

少しずつ読んで更新していきます。