【感想】セカンドノベル ~彼女の夏、15分の記憶~

 

積みゲー消化中。

 

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「全てがひとつの仮定で、仮説で」

「≪ひとつの物語≫に過ぎない」

*本編より引用

 

概要

ヒロインの語る『物語』を通して、過去に起きた事件の真相を探っていくというミステリ作品。ヒントをもとにバラバラになったシナリオを再構成していく独特のシステムが特徴です。

 

登場人物

直哉(なおや)

本作の主人公。高校時代はユウイチと彩野と仲が良かった。大学進学を機に上京して以来、5年ぶりに実家に帰省。そこで彩野と再会し、彼女の語る『物語』をもとに高校時代に起きた事件の真相を探ることになる。

 

彩野(あやの)

本作のヒロイン。ユウイチとは幼馴染だった。高校時代、ユウイチの後を追って屋上から飛び降り、その時の後遺症で15分しか記憶を保持することができない。その事件から5年後、彼女は高校を訪れ、現実に起きた事件とどことなく関連のありそうな『物語』を突然話し始める。

 

ユウイチ

直哉の友人であり、彩野の幼馴染。高校時代に屋上から飛び降り、この世を去った。彩野の語る『物語』にも、アヤノの幼馴染として登場する。

 

アヤノ

彩野の『物語』に登場する少女。高校時代の彩野がモデルになっているようだが、現実の彼女とは性格的に異なる部分が多い。

 

由加里先生

高校の国語教師。ユウイチと彩野の飛び降り事件当時を知る人物。それから5年経った現在も同じ高校に勤務している。

 

千秋(ちあき)

近所に住んでいる少女。よく高校に忍び込み、ヘッドフォンで音楽を聴いている。

 

サクラ

彩野の『物語』に登場する謎の少女。コックリさんやおまじない、学校の怪談などオカルト系に興味があり、いつもアヤノにその手の話を持ちかけている。

 

システム

本作のシナリオは「ストーリーモード」と「フラグメントモード」を交互にこなしていくことで進んでいきます。

 

ストーリーモード

彩野が語る『物語』を聞くモード。ただし、彼女が記憶を保てる間限定という制限があり、15分経つと彼女の記憶は消え、『物語』は途中で終わってしまいます。先へ進めるためにはフラグメントモードで「あらすじ」を作成する必要があります。

 

フラグメントモード

彩野が語った『物語』の「あらすじ」を作成するモード。15分間に聞いたシーンを「あらすじ」としてまとめることで、次の15分が始まる際に彼女はそれまでの『物語』を知ることができ、ストーリーモードでその先の展開を語ることができるようになります。

あるシーンの「あらすじ」を作成する際には、彩野からそれまでの「あらすじ」、もしくはストーリーモードで手に入る「キーワード」の提示を求められます。彼女の言葉を手掛かりに、正しい「あらすじ」或いは「キーワード」を選ぶことで、新たな「あらすじ」を作成することができます。

 

ストーリーモードで彩野の『物語』を聞く⇒フラグメントモードで聞いたシーンの「あらすじ」を作成する⇒ストーリーモードに戻って『物語』を先へ進める、というのを繰り返すのが基本的な流れですが、そのまま進めていくと間違った結末に至ってしまう場合があります。その際にはフラグメントモードで、その手前のシーンのどこかに「選択肢」を作成し、正しい結末を迎えるための分岐を作る必要があります。

また、「あらすじ」が作成できないこともあります。その場合、どこかのシーンの「あらすじ」が足りないため、見逃している分岐がないか、それまでの展開をもう一度見直さないといけません。

正しい結末に至ることができれば、一つの「セクション」をコンプリートしたことになり、『物語』に次のセクションへ展開する可能性が生まれます。どのシーンから分岐するのかについては、セクションコンプリート後の登場人物たちの会話の中にヒントがあります。

 

立ち絵はさらっとしていてクセの無い感じ。ギャルゲーを普段やらない人にも受け入れてもらえると思います。

背景はとても丁寧で、影とかもくっきりと描かれているんですが、丁寧すぎるためにどこか非現実感がある感じです。『物語』でもキーワードとして登場する「夕焼け」が印象的であり、オレンジ色が鮮やかすぎて、なんというか凶暴な美しさがあります。

 

音楽

落ち着いた曲がほとんどですが、謎を解明する場面などでは、映画『エクソシスト』のテーマ曲みたいな緊張感を煽るBGMが流れます。同じパターンを繰り返す感じの曲、僕は好きです。

 

雑感

  • 面白かった!システムが特殊なので進め方を理解するまで若干時間がかかりましたが、ストーリーを組み立てていく楽しさがありました。
  • セクションを進めるにつれて明らかになる『物語』と現実との関係性、飛び降り事件の真相。最後の方はボタンを押す指が止まりませんでした。
  • プレイ時間は30時間ちょいです。ゲーム性が高いので少しずつ進めていっても楽しめると思います。
  • 屋上にたたずむ少女......風になびく黒髪......フェンス越しの夕焼け空......俺たちの元型的イメージ......。
  • ゲーム内で本編に関連した短編小説を読むことができます(以下の写真を参照)。有名ライターさん達の書き下ろし作品なので、お得感があります。

 

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PSPをこんな風に使うの初めてや......