【感想】フラグタイム

 

百合アニメです。上映終わっちゃいそうだったので観に行きました(ネタバレ有り)。

 

frag-time.com

 

あらすじ

人と関わるのが苦手な主人公『森谷 美鈴(もりたに みすず)』。彼女は1日3分間だけ時間を止めることができ、都合の悪い状況になると、いつも能力を使って逃げ出していました。ある日時間止めている最中に、出来心で同じクラスの『村上 遙(むらかみ はるか)』のスカートの中を覗いてしまう森谷さん。しかし、村上さんはなぜか停止しておらず、スカートの中を覗いていたのがバレてしまいます。それをきっかけに二人は停止している時間を共に過ごすことになり、森谷さんは村上さんのことを想うようになりますが、村上さんは秘密を抱えていて......という流れ。

 

森谷さんと3分間

森谷さんは他人の悪意を恐れて人と関わるのを避けていました。彼女にとっての『3分間』は人間関係からの逃げ場として描かれています。村上さんと一緒に過ごすようになってから、彼女は初めて他人と関わることを楽しいと思うようになります。そして、村上さんに興味を持ち、村上さんのことで悩み、村上さんの本心に向き合おうとし、その過程で村上さん以外の人とも関わりを持ちます。そして、逃げ場としての『3分間』は次第に短くなり、消滅しました。彼女が求めていたのは「他人と関わり、他人のことを考える」ことであり、誰にでも合わせることができる村上さんだからこそ、人付き合いが苦手な彼女の求めていることを理解してあげられたんだと思います。

 

村上さんと3分間

村上さんは他人に合わせすぎるあまり、自分というものを失っていました。失っていたので行動するためには他人を必要としていたとも言えます。けれども、本心では自分の意思で何かしたいと望んでいて、彼女は『3分間』のうちにいたずらをしたり、服を脱いで下着だけになったりと、様々な奇行を通して自分は何がやりたいのかを見つけようとします。しかし結局、『3分間』は森谷さんが他人と向き合うようになることで消えてしまい、彼女の自分探しは完了しませんでした。

重要なのは森谷さんがその奇行を見ていたことであり、彼女は「なんでこんな事をするんだろう」と考えたことから「他人に合わせすぎて自分を失っている」という村上さんの秘密に到達します。そして、彼女がそんな村上さんを肯定することでエンディングとなります。

つまり、村上さんにとっての『3分間』は自分探しの場ではなく、森谷さんに出会うための場であったと言えます。彼女が求めていたのは、自身が嫌悪していた「他人に合わせている自分」を認めてくれる存在であり、人間関係から距離を置いていた森谷さんだからこそ、彼女を肯定的に捉えることができたんだと思います。

 

『3分間』は対極に位置する二人が出会い、互いに必要なものを補い合うための時間だったということなんだと思います。

でもこれ村上さんについてはいまいち腑に落ちない感じなんですよね。たぶん読み取れていない箇所があるんだと思います。原作漫画読めば何か分かるかもしれないので、買ってみようと思います。

 

1時間程度の短い映画なので駆け足感はありましたが、個人的には好きなタイプの百合でした。特にラストの二人が取っ組み合って感情をぶつけ合うシーンは良い。もっとやれ!!という気持ちで見てました。

 

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